バカは書かねば覚えない

webデザイナやってる。くそったれメモ。

文鳥を逃してしまった

不注意で開いた窓から飼っていた文鳥を逃してしまった。
悲しみのあまりいろいろ無気力だが反省と思い出を書き残す。

小鳥を飼いたくてオカメインコにするか文鳥にするか数年悩み、文鳥に傾いていた時にたまたまよく見にいくペットショップにいたシナモン文鳥
手乗り文鳥が欲しかったけどその頃はまだ会社員だったから2時間おきに挿餌とかするのは無理だなぁと思っていたところにちょうど一人餌になったくらいの幼鳥と出会えたのはまたとない幸運だった。
幼鳥であれば挿餌をしなくてもベタ慣れまでいかずとも、肩に乗ったり程よく仕事の邪魔をしてくれるような文鳥ライフがイメージできた瞬間であった。
仲良しそうに寄り添っていた桜文鳥と一緒に2匹を連れ帰った。

それから約2年半くらい一緒に暮らしただろうか。
最初はいろいろ分からず羽が抜けまくってヤバくないかとか、クチバシにヒビが入っていてヤバくないかとか、爪を切りすぎてヤバくないかとか、生活リズムがヤバくないかとか、いろいろ心配していたが至って健康に安穏と暮らしていたように思う。
ただ結局あまり懐きはせず、餌を手に乗せてじっと待つとたまに乗ってくる程度だったが、乗ってくるだけでも嬉しくニンジンや豆苗を食い漁る姿や、水浴びをして入念に毛繕いしているあいつを見ているだけで微笑ましく幸せであった。
朝にはまあまあうるさくさえずり、なぜか夕食どきもまあまあうるさく、やはり文鳥サイズといえどなかなか響く。
インコ類にしていたら煩わしさに耐えられなかったかもしれない(旦那が)。
ペットホテルに二度預けた事があるが、他の鳥さんの鳴き方を変に覚えてきた時は失笑した。
しかしすぐに忘れるのか1日で直った。
試しに飼ってきたおもちゃには見向きもせず、可愛らしく文鳥ボディがすっぽり収まる皿巣にはなかなか収まらずトイレのような使い方をする。なかなか思ったようにはいかない。
2羽で身を寄せ合ってふくふくと寝るのだろうと思っていたが、桜文鳥をつつき回し、なぜか桜文鳥がやる事を全て邪魔しようとし、ギュルギュル威嚇し合っているので結局鳥カゴを2つ用意する事になった。なかなか思ったようにはいかない。
多分シナモン文鳥はオスで桜文鳥はメスと思われるが、熱帯あたりのフウチョウ科のオス鳥の必死のおもてなしを少しは見習ったらどうかと思う。
しかし文鳥は亭主関白が基本らしい。というか縄張り意識が強いらしいのでつがいになる確率は結構低いらしい。

飛ぶことについて。
物体に対する警戒心が強すぎるためかカゴ以外の物体に止まろうとしないから、放鳥タイムをとってもカゴ周辺をブンブンホバリングするだけだった。
羽のトリミングはしていなかったが、野生の鳥と違い広い空間を風に乗って飛ぶという事をしてきていないから、こいつら飛ぶのが下手なのかもしれないと思っていた。
全然飛び回らないし長くて2分もすれば自分からカゴに戻っていく。
運動不足&ストレスは良くないというし、鳥なんだからもっと飛び回っても良いのだぞ?という気持ちから数時間カゴを開けっ放していたりしたがほぼカゴの中にいる。
カゴ周辺からはまず離れないと思って完全に油断していた。

今日は3日ぶりくらいに天気が良くせっせとバルコニーで多肉の植え替えやらナスの剪定やらメダカを眺めるなどし、暑いのでタバコを吸いながらベンチでボーッと休憩していた。
うちのバルコニーにはよくハクセキレイやスズメが羽休めにくる。
最近はツバメが忙しそうに飛び回っていて繁殖の時期なのだな、うちにもツバメやハクセキレイが巣を作ったりしないだろうか、作られたら作られたでフンの始末やヒナの鳴き声がうるさいとかで大変だろうか、などと考えていたところだった。
背にした部屋の方から白い鳥が飛んでいった。
この時はもしやとも思わずで今のはハクセキレイではないし何の鳥さんだろうか。などと思っていた。

植え替え作業に必要な道具を取りにリビングに戻るとシナモン文鳥のカゴが開いている。
しかしいない...ように見える。陰に隠れて見えないだけか。いや間違いなくいない。いないではないか。
すぐに確信に及んだ。さっきの白い鳥さんは間違いなくあいつだ
あいつあんなにたくましく飛べたのか。いやそうじゃなくて逃してしまった...まさかの迷い鳥。完全な不注意。
旦那が朝起きてカゴを開け、それに気づかず自分がバルコニーに出て窓を開けたままであった。何という失態。

すぐさま周辺を探すが当然見つからない。外で小鳥1匹を探し出して捕獲するなんてまず無理だろう。
飼う前からいろいろ情報は漁っていたからわかっている。戻る事は、まずない。
わかってはいるけど中には奇跡的に生還するケースもあるというので絶望しつつしばらく周辺を探すがとても落ち着かない。
ああ今日はこんなに暑いのに水をとれずに衰弱してしまうかもしれない、餌の採り方はわかるのだろうか、9階からちゃんとどこかに着地できたのだろうか、足を怪我したら自然では終わりだ。これを書いているのはもう夜更だけど、あいつは白いから目立ってしまって外敵に狙われやすくて、おちおち休息もできないかもしれない。ああもう自然の過酷さに帰りたくなっているに違いない。でもピンポイントでここに飛んで戻ってくるなんてきっとできない。
などと思うともう眠れない...

しかし飛んでいってしまった小鳥はもう術がない。本当になす術がない。
逃してしまうなんて事は絶対に自分はしないと思っていたのが最大の過ち。
もう本当にごめんなさいではあるが落ち込んでいても仕方がないので、どうにかポジティブに考えてみる。
今の時期は気候的には文鳥が過ごしやすい時期のはずだし、虫も多く食べ物には困らない気がする。飛んでいった方向に畑や大きな公園もあるから身を隠す事もできるはず。だからしばらくは生き延びれるだろう。
カゴの中の飼い鳥では経験できない、鳥本来の生き方をした方があいつにとっては幸せなのかもしれない。たとえ過酷であっても文字通り羽を広げて存分に空を羽ばたいてほしいと思おう。
最後に見たあいつの飛ぶ姿、あんなふうにカッコよく飛べたのだな。自分が思っているほどひ弱な文鳥ではなかった。
できる事はやっておこうと思い交番に届けて、すぐさまチラシを作って近隣のお店に張り紙を頼んだ。(デザイナーで本当に良かったと思う)
逃げ出した文鳥が野生化して問題にならないのは寒さに弱い鳥だから冬を越せないため...冬前までに何とか見つけ出したい。